開発者の想い
「山の搾油所」代表の杉浦と申します。
私は生まれた頃からアトピー性皮膚炎で、毎日ステロイドを使って症状を抑えていました。
大学生の頃には症状が悪化し、瞼が腫れて目が開けられない、寝ている間にかきむしってしまうので両手をベッドに縛って寝ていたという経験もしました。
いつも手が荒れていたので綿手袋をしていました。
少し水を触っただけでひどくなり、膿の様なものがでてきて手袋が毎日汚くなっていました。
顔にはニキビが出やすく、カミソリ負けもするので、毎朝ひげをそるたびに血が出ていました。
それでも植物分子生物学の研究者を志し、基礎生物学研究所で研究を行っていました。
ところが2012年、化学物質過敏症を発症してしまいました。
わずかな洗濯洗剤、芳香剤、消臭剤、タバコなど、身の回りの様々なものに反応して全身が痺れ、痛みで寝たきりに近い状態にまでなりました。
石鹸やスキンケア用品も使えなくなり、肌荒れもますます悪化してしまいました。
仕事や町での生活を諦め、療養のために自然の豊かな、空気のきれいなところに移ったところ、驚くほど体が軽くなりました。
町中では意識が朦朧としていたのに、山の中では走り回ることさえできるので、周囲の人も驚いていました。
人間も自然の一部、それを身をもって経験しました。
体調を考えて移住先に選んだのは、愛知県設楽町の田峯という地区です。
自然豊かな山里で、澄んだ空気と豊富な湧水が当たり前のように満ちています。
そこで出会ったのは、集落に点在する無農薬のお茶畑と、高齢化などの理由から管理できなくなったお茶畑の藪でした。
管理できなくなったお茶の木は、白い美しい花を咲かせ、鈴生りに実をつけていました。
そんなお茶の木の自然な姿を見たとき、このお茶の実から油を搾ることを思いついたのです。
お茶はツバキ科の植物です。
椿油は椿の種から搾られるので、お茶の種からもお茶油を搾ることができるのではないか。
そしてお茶特有の、椿以上に健康にいい油が得られるのではないかという思い付きが開発のきっかけでした。
所属していた研究所にも相談、協力してもらいお茶油の成分を調べたところ、想像していた以上のデータが得られました。
自分が長く悩んでいた肌荒れにたいして優れた効果を発揮する可能性が示されたのです。
地元の方々、近隣のアトピー性皮膚炎の方、所属していた研究所、他の搾油所の方など、多くの方の助けをいただきながら開発を進め、2018年4月に商品として販売を開始することができました。
豊かな自然に包まれた場所だからこそ開発できたものです。
このお茶油が生まれた環境も知ってもらいたいという思いから、「設楽茶油」と名付けました。
私自身、開発段階から2年ほど設楽茶油を使っており、いまでは肌荒れはほとんどなくなりました。
久しぶりに会った親が驚いていたほどです。
この設楽茶油で、自分が一番助けられています。
それぞれの体質もあるので、全ての方に効果があるとは言えません。
それでも、私と同じような肌の弱い方にも使っていただけることを強く意識して作っています。
肌荒れに悩んでいるご本人、身近な大切な方に、一度お試しいただければ嬉しいです。